アドインCAMとは?アドインCAMのメリットを解説

-アドインCAMとは?
アドインCAMとは、基盤のベースCADに対して追加でCAM機能を拡張するCAMソフトのことです。「アドオンCAM」「プラグインCAM」と呼ばれることもあります。
タクテックスで取り扱う「SolidCAM」はダッソーシステムズ製「SOLIDWORKS」にアドインして動作し、「InventorCAM」はオートデスク製「Autodesk Inventor」にアドインして動作します。
-アドインCAMのメリットは?
1.CADソフトとCAMソフトを別々で操作しなくてもよい
CADソフトとCAMソフト、別のソフトを使用した場合、起動するアプリケーションは2つになり、操作をそれぞれ覚える必要があります。
アドインCAMはCAMがCADアプリケーション上にアドインすることで、ひとつの画面上でCAMの操作とNCプログラムの作成が行えるようになります。操作性もベースCADに合わせて開発するのでソフトの習得時間も短くなります。
2.CADデータを中間CADファイルに変換する必要がない
設計用のCADと製造用のCAMが別ソフトの場合、CADデータをSTEPやパラソリッド等、中間ファイルに変換してCAMで取り込む必要があります。CADにアドインすることで基盤ベースCADのネイティブデータを使用することができ、中間ファイルに変換する時間や設計変更があった場合の再変換の作業工数を減らすことが可能です。
3.穴の属性情報をCAMで有効活用できる
設計でも多く使用されているSOLIDWORKSとAutodesk Inventorは、穴に対し「キリ穴」「座ぐり穴」「タップ」のような属性情報を当てはめることができます。
アドインCAMは中間CADファイルに変換する必要がないため、CAM側に穴の属性情報を引き継ぐことができます。
設計部署または取引先から提供された3Dモデルからキリ穴、タップなどの属性情報を認識することで、穴加工のNCプログラム作成時間が大幅に削減されます。
4.CADの機能や設計履歴を製造側で有効活用できる
アドインCAMはベースCADの機能を有効活用することができます。例えば、SOLIDWORKSの「コンフィギュレーション」という機能は1ファイルの中に複数の寸法違いのモデルデータを保存したり、旋盤加工やワイヤーカットなど1次加工段階のモデルデータを保存して機能があります。
SolidCAMでは、この機能を活用して1次加工品の残っている部分のみを切削加工したり、寸法違いのNCプログラムを出力する機能があり、類似形状の加工などで活用します。
5.CAMメーカーは工作機械に特化したCAM機能の開発に注力し、洗練されたCAMソフトに
アドインCAMの開発元は、工作機械に関連するCAM機能の開発に集中することができるため、より洗練されたCAMシステムを販売することができます。アドインCAMを販売戦略とすることで、CADの開発工数を減らし、マシニング、複合旋盤、ワイヤーカット、多系統複合加工機、スイス式自動旋盤など多くの工作機械に対応するCAMシステムを開発しています。
-アドインCAMはどのような製造業に向いている?
アドインCAMは、このような製造業の方に向いています。
SOLIDWORKS または Inventorを設計部署、または取引先が使用している
SOLIDWORKSまたはInventorを設計部署や取引先が使用している場合、STEP、パラソリッド、IGESなど中間ファイルに変換する必要がありません。
また、3D CADデータから穴属性や設計意図を共有することができ、CAM操作の工数が大幅に削減されます。
長さ違いのワークがあったり、穴数が違うなど設計変更が多い場合にも、CAMが連動して動作します。
加工するワークが長さ違いや穴数違いなど類似形状の加工が多い
SOLIDWORKS、Inventorは類似形状や設計変更が多い業種の設計に強い基幹CADシステムです。
一部の長さが違う加工ワークであったり、ベースは同じだが穴の数が多いなど、類似形状ではCAMがCADの変更に合わせて追従します。
CADで設計変更があった場合に、中間CADファイルに変換して、別ソフトを開いてCAMの条件付けをして・・・とわずらわしい操作は必要ありません。
CADの操作性や機能も重要視している
SOLIDWORKS、Inventorは、教育機関を含め、数多くCADソフトとして利用されており、CAD自体の操作性は使いやすく簡単です。
一般的なCAMに付属されているモデラ―(加工する上での最小限のCAD)と比べ、できることも多いですが、感覚的に操作できることも特長です。
■アドインCAMについて詳細はこちら