【教育機関向け】NCプログラム実習とCAD/CAM教材の選び方

教育機関向けNCプログラム実習とCADCAM教材の選び方

近年、製造業のデジタル化が進み、NC工作機械やCAD/CAMを活用したものづくりが一般化しています。それに伴い、教育現場でもNCプログラムやCAD/CAMに精通した人材の育成が急務となっています。しかし実際には「実習時間が限られている」「教員が多忙でソフトを深く習得する余裕がない」「転勤や異動で専門外の先生が担当している」といった課題が多く寄せられています。

本記事では、全国400校以上の導入実績を持つタクテックスが、NCプログラミング実習・CAD/CAM実習における主な教育課題と、教育機関向けにおすすめの実習用ソフトをわかりやすくご紹介します。実習の効率化と学生の理解度アップ、安全な実習環境づくりに役立つ情報をぜひご覧ください。

NCプログラミング・CAD/CAM教育で行われる主な実習内容

マシニングセンタ(MC)やNC旋盤などのNC工作機械の普及に伴い、NCプログラムの基礎知識やCAD/CAMを活用した加工データの作成が教育課程に組み込まれることが一般的になってきました。工業系の教育機関では、「NCプログラミング実習」「CAD/CAM実習」「課題研究」などの科目で以下のような実習を行います。

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【製造業必見】CAD/CAMとは?知っておくべき基礎知識と選び方

NCプログラミング実習

工作機械を動かすためのプログラムであるNCプログラムについて学ぶ実習です。「手組み」と呼ばれるGコード、Mコードを直接パソコンに入力する方法でNCプログラムを作成します。学生は方眼紙を使い、イラストや文字の座標を計算してプログラムを作成する学習も行います。
NC工作機械の基礎となるGコードやMコードとプログラムの流れを学習することができます。

学習ソフトを利用した手打ちによるNCプログラミング実習

学習ソフトを利用した手打ちによるNCプログラミング実習

製図/CAD実習

CADソフトを使用して、図面を作成したり3次元モデルを作成します。企業では、2次元CADから3次元CADを使用しての設計に移行しつつあります。
また、2D CADと比べ3D CADのほうが視覚的にわかりやすく、アッセンブリ(組立品)にも対応できることから学生の興味を引き付けやすいメリットがあります。

3D CADを使用したCAD実習

CAD/CAM実習

CADで作成した図面やモデルを使用して、切削工具設定や加工条件の割り当てをしてNCプログラムを作成します。座標値と呼ばれる工具軌跡を人が考えて作る必要がなくCAMが生成するため、手組みでは難しい加工プログラムも作成できます。デザイン性のある機械加工やボールエンドミルを使用した曲面加工、5軸加工にも対応できます。

例として、手組みではカクカクしたシンプルなデザインの文字しかできなかったものが、多種類のフォントが使用できるようになり、よりデザイン性のある文字加工ができるようになります。また、工作機械を設備するものづくり企業では、CAD/CAMの使用できる人材を求められています。

CAMを使用したキーホルダー作成

CAMを使用した部活動キーホルダー作成

課題研究/部活動

選択制の実習や研究部など部活動での設計、部品作成にCAD、CAM、工作機械を使用します。ロボット設計やマイコンカー部品の作成などCAD、CAM、工作機械、3Dプリンター等を活用して、学生が想像するまざまなアイディアを形にすることができます。

課題研究、部活動の活用事例

 

 

実習用ソフト選びのポイント

実習用ソフトを選ぶ際は、以下の4つのポイントを押さえることが大切です。

  • 操作が簡単で覚えやすいこと
  • CADからCAM、NCプログラム作成、加工まで一貫したサポートが受けられること
  • 卒業後の実務で役立つソフトであること
  • 教育機関向けのアカデミックパッケージがあること

操作が簡単で覚えやすいこと

実習では限られた時間の中で複数の学生が同時にソフトを操作する場面が多く、操作が複雑だと学生によって習得スピードに差が生まれ、授業の進行に支障をきたすこともあります。さらに教員も工作機械やCAD/CAM以外の業務を多く抱えており、ソフト操作を一から深く学ぶ余裕はありません。

そのため、直感的で覚えやすい操作性を持つソフトを選ぶことが重要です。誰でも扱いやすいソフトなら、実習全体の進行もスムーズになり、教員・学生双方の負担を軽減できます。

▼操作が簡単なアドインCAMのメリットはこちら
アドインCAMとは?アドインCAMのメリットを解説

CADからCAM、NCプログラム作成、加工までの一貫したサポートが受けられること

実習で扱うCAD・CAM・NCプログラム・機械加工は、それぞれ専門性が高く、加工ミスは機械破損や大きな損害にもつながります。特にCAMやNCプログラム作成では、機械加工の知識も不可欠です。

そのため、ソフト提供だけでなく、加工ノウハウや実習トラブルにも対応できる業者の一貫したサポートが重要です。加工実演や運用アドバイスまで任せられる体制なら、安全性と実習効果が大きく向上します。

▼ソフトだけでなく機械加工も行うCAMメーカー
タクテックス 岐阜テクニカルセンター

卒業後、実務で役立つソフトであること

民間企業ではフリーソフトの導入例は少なく、実務で求められるのは商用CAD/CAMソフトです。学生が即戦力として活躍するためにも、企業の実務で採用されているソフトを実習で学ばせることが、教育機関の大きな役割のひとつといえます。

教育機関向けのアカデミックパッケージがあること

民間企業で使われているCAD/CAMソフトは、1台あたり数百万円と非常に高額なものが多く、教育機関が複数台導入するのは現実的ではありません。その点、教育機関専用のアカデミックパッケージなら、一般価格より大幅に安価で導入でき、より多くの学生に実習機会を提供できます。
学生一人ひとりが実機を使った学習ができる環境を整えるためにも、アカデミックパッケージの有無は重要なポイントです。

▼タクテックスが取り扱うアカデミックパッケージはこちら
アカデミックシステム

おすすめのCAD/CAM・NCプログラム教育ソフト

タクテックスでは、教育機関向けに以下のソフトをおすすめしています。

SOLIDWORKS / CAD実習

SOLIDWORKSは機械設計において国内シェアNo.1の3D CADシステムです。3Dモデル作成から部品の組み付けを行うアセンブリ、図面化まで可能で、民間企業はもちろん、教育機関にも多く導入されています。

また、SOLIDWORKS認定試験「CSWA」「CSWP」資格は「三次元CAD認定技術者試験」として公益社団法人全国工業高等学校長協会が実施する「ジュニアマイスター顕彰制度」に登録されています。

SolidCAM / CADCAM実習

SolidCAMはSOLIDWORKSにアドインして動くCAMシステムです。CADシステムとCAMシステムを別々のソフトで起動する必要がなく、STEPやParasolidなど中間CADファイルに変換する必要がないため、CADからCAMへの移行が簡単かつスムーズに移行できます。

複数人でCAMの授業を行う際も、操作性が統一されているため授業の進行がスムーズに行えます。

▼SOLIDWORKSアドイン型CAMシステム
SolidCAM

InventorCAM / CADCAM実習

InventorCAMはAutodesk Inventorにアドインして動くCAMシステムです。機能は、SolidCAM同様でAutodesk Inventorの画面内で動きます。3次元CADの授業でAutodesk Inventorを使用している場合に便利です。InventorのCADデータを変換することなく使用することができます。

▼Autodesk Inventorアドイン型CAMシステム
InventorCAM

WinVIEW V4 / NCプログラミング実習

WinVIEW V4はNCプログラムを一から作成することやCAD/CAMで作成したNCプログラムを編集、確認、作図するためのソフトウェアです。学生がGコードやMコードなど、NC工作機械を稼働させるために必要なNCコードを学習することができます。

▼NCプログラム Gコードの教育ソフト
WinVIEW V4

G-Navi / 機械加工実習

G-Naviは工作機械の3Dモデルデータをパソコンに取り込み、デジタル上で加工シミュレーションを行うソフトです。

▼NCプログラムシミュレーションソフト
G-Navi

工作機械向け ネットワークカメラ / 機械加工実習

ネットワークカメラは工作機械の機内、または機外にカメラを設置し機械加工の様子をパソコンからリアルタイムに確認することができます。
工作機械の窓は小さいため、複数人で機内を確認することは難しいですが、ネットワークカメラを使用してプロジェクターや大型モニタに加工の様子を共有することで、学生の理解度と集中力を高めることができます。

▼工作機械モニタリング
ネットワークカメラ

まとめ

実習用ソフトの選び方ひとつで、学生の理解度・実習効率・安全性は大きく変わります。
タクテックスでは、教育機関専用のアカデミックパッケージもご用意しております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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